進化論

孤独とは

孤独感は人につながりの欲求をもたらす。個人より集団の方が生存確率が上がる。そのため、人は協力する。生き残るために、人は孤独を感じるように進化した。一方、孤独を感じにくい人間もいる。孤独を感じる度合いが人によって異なるのは、人類にとって有益なことである。なぜなら、孤独感の弱い者は、共同体から未知の世界に出て行くことを厭わず、村に新しい発見をもたらすからだ。中野信子さんの『サイコパス』では、人類の1%はサイコパスである可能性が示唆されている。サイコパスもまた、孤独感を感じにくい人と同様、社会にとってメリットをもたらす。

 

恋愛とは

恋愛は「人間が子孫を残すため」に脳にインストールしたシステムである。恋愛感情によって人間は深いつながりを求める。例えば、恋愛時には神経伝達物質としてPEA(フェニルエチルアミン)という物質が脳内に放出される。悲しいことに最長3年で分泌されなくなる。逆にいうとPEAが出ている3年以内に子孫を残せなければ、2人の関係は終わる可能性が高い。また、恋愛初期にはNGFという神経成長因子も放出される。恋人を見るとドーパミンが放出され、脳の報酬回路を刺激して快感をもたらす。恋愛中毒者には麻薬中毒者やセックス中毒者と同じメカニズムが働いている。恋は盲目であり、脳の20ヶ所以上が同時刺激される。

 

結婚という虚構の制度と不倫

男性は女性を追い求めることでテストステロン値が上がる。結婚した男性はテストステロン値が下がることが研究でわかっている。近年では結婚のメリットがないという研究もある。一方、遠距離恋愛中の男性はテストステロン値が下がらない。つまり、遠距離恋愛中の男は常に女性を追い求めることができる状態にある。男女では性戦略が違うから実際に浮気するかは別として、本能には浮気が組み込まれている。結婚という制度は人間の本能から逸脱しているため、時として人は法を破る。狩猟採集・農耕時代は祭りで乱交が行われていたことが進化人類学で示唆されている。恋愛と結婚は全くの別物であり、それを混同しているやつがあまりにも多すぎる。