求めない

科学は事実を明らかにするが、科学では語れないこともある。例えば、意識の存在理由に関して、科学で語ることはできない。

 

私たちは多くを求めすぎる。最初から求めないことこそが大切だ。欲望に支配され、欲望に敗北する人生はなおさら苦だ。自分が見ている世界は、自分の認知の内にある。つまり、自分の認知の仕方で人生は決まる。認知には範囲があり、バイアスにも制約される。自分の認知を変化させたり、新たな視点を得るためにはいくつかの方法がある。ただ、大きな失敗をしない限り人間は多くを学ぶことができない。人に期待するのをやめよう。人生に多くを求めるのをやめよう。

天気の子

「世界はもともと狂ってる」のか

「確かに僕たちは世界を変えた」のか

 

天候の循環というシステムの環の中に入ってしまった彼女

 

地球温暖化もそうだが、45億年の地球の歴史においてこれらの気候変動は誤差の範囲でしかない。1万年前に氷河期が終わった。原因は大気の組成、地球の公転軌道の変化、プレートの動き、太陽の出力変化、地球-月系の軌道の相互関係、火山活動の影響などである。

 

しかし、確かに僕たちが地球温暖化に貢献していることも明らかだ。このままでは2100年に平均気温が2℃上がることが明らかになっている。僕たちは世界を少しずつ変えてしまっている。

 

天気の子は環状線の山手線。

君の名は。は組み紐という赤い線で繋がるから中央線、総武線

 

須賀さんの妻は天気の巫女だった。須賀さんは指輪を2個つけている。また、帆高が最後に向かった場所を知っていた。須賀さんが涙を流した理由、帆高を助けた理由。

クズの定義

東京都立大学教授の宮台真司によるクズの定義

「法の奴隷」

「言葉の自動機械」

「損得マシン」

 

ネットで人を叩くやつは確実にクズ。妬み嫉みから人を叩くという心理。相手の気持ちを理解することができない、つまり、共感力が圧倒的に足りていない。共感力が足りていないやつは絶対にモテない。出世もできない。つまり、ある基準で見たときの負け組に該当する。共感力がないと、相手を喜ばせたり相手と一緒に楽しむことができない。

 

私は常に経済合理性を最重要視して選択しているので「損得マシン」に該当するクズだw

民主主義の腐敗

民主主義が機能するためには自立した個人の存在が必要であり、自立した個人は自立した共同体を前提とする。

 

グローバル化、インターネットの普及により、様々な共同体は空洞化した。その結果、分断された個人。他人に関心のない回避型パーソナリティの人間や、妬み嫉みからネット上で人を叩くクズが増えた。

 

民主主義はもはや機能していない。現在、トランプに代表される自国第一主義といったポピュリズムが台頭していることからも伺える。クズの意見をいくら集めたところで、最適な意思決定ができるわけがない。

 

リバタリアンパターナリズムという理論があるが、官僚もクズであるためこれもうまく機能しない。国民が自覚し、変わる以外にこの国が生存する方法はない。

 

万引き家族

「本当の家族とは何か」

誰ひとり血は繋がっていない家族だが、どんな家族よりも絆が強い。樹木希林さんが浜辺で家族を見て浮かべた、嬉しそうな笑顔が忘れられない。法の奴隷とは真逆の、真の家族。

 

「親は選べないからね普通は」

少女は、温もりに触れ家族を選んだ。最後に映る少女の虚ろな瞳。

 

「俺たちは金で繋がってるんじゃない」

損得勘定や金で繋がるような関係ではない。そこには心があり、居場所があり、絆があった。

 

スイミー

小さくても、みんなで助け合えば大きな敵を倒すことができる。

 

「誰かが捨てたのを拾ったんです」

捨てたんじゃない。誰かが捨てたのを拾っただけだ。社会が捨て、家族が捨てたもの。

 

法の奴隷には決してわからない、根本的な倫理。なぜ彼らはあんなにも魅力的なのだろうか。

기생충(パラサイト)

parasite(寄生)

paraは近く、傍を意味する。

siteは場所を意味する。

 

資本主義社会で金に群がる寄生虫同士の争いが面白い。残酷で過酷な生活はもはや人間の生活とは言えない。みるみると金持ちに寄生していく様はオセロをひっくり返すような面白さがある。真っ黒に染まっていく盤面。しかし、突如訪れるどんでん返し。彼ら寄生虫はしだいに自分たちの大切なものを失っていく。本当に寄生されていたのは誰なのか。誰が誰に、誰が何に寄生しているのか、していたのか。いや、寄生しているのは、僕たちなのかもしれない。

 

「ネタバレあり」

半地下に住む4人家族

 

父親は4人の中で最も出来が悪く、計画性がない。様々なミスを犯す。ピザの1/4が不良品だったのは、すべて父親が原因だ。

 

娘は最も賢く、人心掌握にも長けている。4人の中で唯一、誰かの代役としてではなく、実力で仕事を取った。4人の中でもっともお金持ちに近い空気があると触れられていた。それ故か、最後には殺されてしまう。

 

息子も賢い。友人から貰った、学歴の象徴である石を抱え続け、最後には石で病院に送られる。無計画だった父に対し、最後には計画を考える。

 

母は努力家。昔はハンマー投げの選手。

 

お金持ち家族

父親は社長。母親は専業主婦。娘は高校生。息子は幼稚園〜小学生低学年くらい。

進化論

孤独とは

孤独感は人につながりの欲求をもたらす。個人より集団の方が生存確率が上がる。そのため、人は協力する。生き残るために、人は孤独を感じるように進化した。一方、孤独を感じにくい人間もいる。孤独を感じる度合いが人によって異なるのは、人類にとって有益なことである。なぜなら、孤独感の弱い者は、共同体から未知の世界に出て行くことを厭わず、村に新しい発見をもたらすからだ。中野信子さんの『サイコパス』では、人類の1%はサイコパスである可能性が示唆されている。サイコパスもまた、孤独感を感じにくい人と同様、社会にとってメリットをもたらす。

 

恋愛とは

恋愛は「人間が子孫を残すため」に脳にインストールしたシステムである。恋愛感情によって人間は深いつながりを求める。例えば、恋愛時には神経伝達物質としてPEA(フェニルエチルアミン)という物質が脳内に放出される。悲しいことに最長3年で分泌されなくなる。逆にいうとPEAが出ている3年以内に子孫を残せなければ、2人の関係は終わる可能性が高い。また、恋愛初期にはNGFという神経成長因子も放出される。恋人を見るとドーパミンが放出され、脳の報酬回路を刺激して快感をもたらす。恋愛中毒者には麻薬中毒者やセックス中毒者と同じメカニズムが働いている。恋は盲目であり、脳の20ヶ所以上が同時刺激される。

 

結婚という虚構の制度と不倫

男性は女性を追い求めることでテストステロン値が上がる。結婚した男性はテストステロン値が下がることが研究でわかっている。近年では結婚のメリットがないという研究もある。一方、遠距離恋愛中の男性はテストステロン値が下がらない。つまり、遠距離恋愛中の男は常に女性を追い求めることができる状態にある。男女では性戦略が違うから実際に浮気するかは別として、本能には浮気が組み込まれている。結婚という制度は人間の本能から逸脱しているため、時として人は法を破る。狩猟採集・農耕時代は祭りで乱交が行われていたことが進化人類学で示唆されている。恋愛と結婚は全くの別物であり、それを混同しているやつがあまりにも多すぎる。